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自分は醜いから、ひとに愛される事は出来ないが、せめて人を、かげながら、こっそり愛して行こう、誰に知られずともよい、愛する事ほど大いなるよろこびは無いのだと、素直に諦めている女性こそ、まことに神の寵児(ちょうじ)です。
そのひとは、よし誰にも愛されずとも、神さまの大きい愛に包まれている筈です。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『ろまん燈籠』

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