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[名言]

頼まれごとは、試されごと。


[出典]

中村文昭[なかむら・ふみあき](実業家・講演家、クロフネカンパニー代表、1969〜)


[関連カテゴリー]

頼まれる 】 【 試される


[解説]

みなさんは、人から何かを頼まれたとき、引き受けますか?
それとも、断りますか?
自分にできることなら引き受けるし、自分にできないことなら断る、というのが一番多い答えではないでしょうか?
中には、自分の利益になることなら引き受けるが、自分の利益にならなければ断る、という計算高い人もいることでしょう。

■もちろん、自分の利益を考えること自体は、決して悪いことではありません。
それよりも、人から何かを頼まれたときの対応が、人によって様々に異なるところが面白いのです。
しかも、そこからその人の性格や人生観が分かってきます。
人間観察の上で、これほど興味深い局面はないのです。

■では、どういう対応がベストなのか?
人からよくそう聞かれるのですが、「時と場合による」としか答えようがありません。
機械的に分類できるほど、人生の諸問題は単純ではないからです。

■例えば、頼まれれば何でもかんでも引き受けるような「お人よしさん」がたまにいます。
このような傾向がある人は、身の破滅につながることがあるので注意が必要です。
中には、借金の連帯保証人になったために、人生を棒に振った人は大勢います。
逆に、人から何を頼まれても全て断るような人は、次第に誰からも相手にされなくなります。
自分の直接的利益になることしか興味を示さない人は、やはり「がめつい」という烙印を押されてしまいます。
義理人情を優先する人は、甘すぎる、利益度外視だと揶揄されます。

■結局、どんな「選択基準」でも人から文句を言われます。
だから、ベストの「選択基準」などないのです。
言い換えれば、「選択基準」を1つ持っているだけでは不十分です。
「時」と「場合」と「内容」に応じて、「選択基準」すらも柔軟に使い分ける「バランス感覚」が必要なのです。

■また、頼まれごとを引き受ける場合は、その「内容」だけでなく「量」も考慮することも大切です。
あることを引き受ければ、当然別のことを引き受けることができなくなります。
人の許容量は一定です。
無理して許容量を超えて引き受けると、結局全てが中途半端になります。
自分の信用が下がるだけでなく、頼んできた相手にも迷惑をかけることにもなります。
自分の許容量を把握していない、あるいは、許容量を考えずに引き受ける人は、やはり「信用できない」という評価を受けてしまいます。

■だからこそ、自分の許容量をしっかり把握した上で、限られた許容量で何を引き受けるかを臨機応変に選択することが大切なのです。

■とはいえ、やはり人によって選択の個性は出てくるでしょう。
合理性を追求するのであれば、自分の金銭的収入や評価が高くなるようなものを優先して引き受ける。
義理人情を追求するのであれば、自分に関わりの強い人からの頼みごとを優先して引き受ける。
こうして、頼まれごとによって、その人の「処理能力」だけでなく、「人生観」や「生き方」が試されていくのです。

■ちなみに、昔の私は「超」がつく「お人よしさん」。
自分の許容量をはるかに超えた量を引き受け、毎日残業、毎土日出勤という地獄の日々を送りました。

(流音弥)



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