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[ 名言 ]
人はいまも、二千年前と
すこしも変わらない理由で、死ぬ。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
詩集『幸いなるかな本を読む人』
詩「もう行かなければならない」

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〈全文〉
人生は、何で測るのか。
本で測る。一冊の本で測る。
おなじ本を、読み返すことで測る。
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四月、穀雨の季節がきたら、
毎年、その本を読み返す。
きみが、好きだと言った本だ。
あの、最後のことばが、好きだと。
プラトンの『ソクラテスの弁明』の、
最後のことば。
もう終わりにしよう、
時刻だからね。
もう行かなければならない。
わたしはこれから死ぬために、
諸君はこれから生きるために、
しかしわれわれの行く手に
待っているものは、どちらがよいのか、
誰にもはっきり分からないのだ、
神でなければ。───
最後に、きみは、思いうかべたか、
ソクラテスの、最後のことばを、
雨の夜、影のように、突っ走ってきた
電車に、きみが、飛び込んだとき。
死の、経緯は、知らない。
だが、人はいまも、二千年前と
すこしも変わらない理由で、死ぬ。
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時刻だからね。
もう行かなければならない。
きみも、じぶんに、そう言ったか?
不幸は数えない。死んだ
人間に必要なのは、よい思い出だけだ。
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