名言ナビ



[ 名言 ]
女は、みんな利巧よ。
それこそなんでも知っている。
ちゃんと知っている。
いい加減にあしらわれていることだって、なんだって、みんな知っている。
知っていて、知らないふりして、子供みたいに、雌(めす)のけものみたいに、よそっているのよ。
だって、そのほうが、とくだもの。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『火の鳥』
さちよが三木朝太郎に言ったセリフ

ページ内メニュー

[ 関連キーワード ]

[ テーマ別名言 ]

[ テーマ別今日の名言 ]

[ 全文・続き ]
〈全文〉
女は、みんな利巧よ。
それこそなんでも知っている。
ちゃんと知っている。
いい加減にあしらわれていることだって、なんだって、みんな知っている。
知っていて、知らないふりして、子供みたいに、雌(めす)のけものみたいに、よそっているのよ。
だって、そのほうが、とくだもの。
__ Link __

男って、正直ね。
何もかも、まる見えなのに、それでも、何かと女をだました気で居るらしいのね。
犬は、爪を隠せないのね。
__ Link __

いつだったかしら、あたしが新橋駅のプラットフォームで、秋の夜ふけだったわ、電車を待っていたら、とてもスマートな犬が、フォックステリヤというのかしら、一匹あたしの前を走っていって、あたしはそれを見送って、泣いたことがあるわ。
かちかちかちかち、歩くたんびに爪の足音が聞えて、ああ犬は爪を隠せないのだ、と思ったら、犬の正直が、いじらしくて、男って、あんなものだ、と思ったら、なおのこと悲しくて、泣いちゃった。
酔ったわよ。
あたし、ばかね。
どうして、こんなに、男を贔負(ひいき)するんだろ。
男を、弱いと思うの。

あたし、できることなら、からだを百にして千にしてたくさんの男のひとを、かばってやりたいとさえ思うわ。
男は、だって、気取ってばかりいて可哀そうだもの。
__ Link __

ほんとうの女らしさというものは、あたし、かえって、男をかばう強さに在ると思うの。
__ Link __

あたしの父は、女はやさしくあれ、とあたしに教えていなくなっちゃったけれど、女のやさしさというものは、――


[ ランダム名言 ]
1.

2.
( 野口三千三 )

3.

4.


5.

6.

7.

8.

9.

10.