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[ 名言 ]
おれは、めしを食うとき以外は、生きていないのである。
ここに言う『めし』とは、あの茶碗一ぱいのめしのことを指して言っているのだ。
あのめしを噛(か)む、その瞬間の感じのことだ。
動物的な、満足である。
下品な話だ。

[ 出典 ]
太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948)
『兄たち』
長兄のセリフ

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〈全文〉
おれは、ことし三十になる。
孔子は、三十にして立つ、と言ったが、おれは、立つどころでは無い。
倒れそうになった。
生き甲斐(がい)を、身にしみて感じることが無くなった。
おれは、めしを食うとき以外は、生きていないのである。
ここに言う『めし』とは、生活形態の抽象でもなければ、生活意慾の概念でもない。
直接に、あの茶碗一ぱいのめしのことを指して言っているのだ。
あのめしを噛(か)む、その瞬間の感じのことだ。
動物的な、満足である。
下品な話だ。
……


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