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体験というのは、理解しあおう、正解をだしあおうというようなしかたで継承してゆくものでも、継承できるものでもないんですね。

[ 出典 ]
長田弘[おさだ・ひろし]
(詩人、1939〜2015)
『一人称で語る権利』

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〈全文〉
どうしても言葉にならない。
ヒロシマを体験した人がポツリとそう話されたことがあります。
ヒロシマの体験はそのような無言のうちに、戦後じっとになわれてきた。
言葉にならないということは、言語絶するということではない。
言葉にだしたら嘘になってしまうということです。
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(中略)言葉はすべてを表現できない、ということをよくよくかんがえなければいけないんだとおもう。
どんなものでも言葉にしてしまえば「そんなもの」になってしまうだろう。
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そうであるけれども、しかし言葉に力があるとすれば、それは、言葉のむこうがわにあるものを想像させる力、欠けたるものへの想像力にささえられてなんだということ。
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体験というのは、理解しあおう、正解をだしあおうというようなしかたで継承してゆくものでも、継承できるものでもないんですね。
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何をつたえるかじゃなしに、何がつたわらないか、ということが真のコミュニケーションのはじまりなのであって、思想の継承はリレー競走のバトンタッチじゃない。
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じぶんが体験しなかったこと、(体験)できなかったことにたいして無垢でも無実でもあることができない、というのがわたしたちにとってのありようだとおもうのです。
わたしたちはそうしたありようそのものを突きつめてゆくことによってしか、じぶんが体験しなかったもの、できなかったものへの想像力を、つまり他者への想像力を生きることができない。
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一人のわたしはみずから生きるものであると同時に、他者によって生かされているんです。
確かに思想は個人的な体験をもとにして、つくりあげられてつくんだけれども、それはあくまでも他者についての想像力をバネにしてゆくことによって思想化されるんだということを痛切にかんがえるのです。
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