死んでも、安らぎはありません。
死んでも、いじめたやつらは、絶対に反省しません。 鴻上尚史[こうかみ・しょうじ]
(劇作家・演出家、1958〜) 2006年に新聞紙上に書いたもの 【 鴻上尚史の名言 】
〈全文〉
「死んでも、いじめたやつらは絶対に反省しない」 あなたが今、いじめられているのなら、今日、学校に行かなくていいのです。 あなたに、まず、してほしいのは、学校から逃げることです。 逃げて、逃げて、とことん逃げ続けることです。 学校に行かない自分をせめる必要はありません。 大人だって、会社がいやになったら、会社から逃げているのです。 次にあなたにしてほしいのは、絶対に死なないことです。 そのために、自分がどんなにひどくいじめられているか、周りにアピールしましょう。 思い切って、「遺書」を書き、台所のテーブルにおいて、外出しましょう。 学校に行かず、1日ブラブラして、大人に心配をかけましょう。 そして、死にきれなかったと家にもどるのです。 それでも、あなたの親があなたを無視するのなら、学校あてに送りましょう。 あなたをいじめている人の名前と、あなたの名前を書いて送るのです。 はずかしがることはありません。 その学校から、ちゃんと逃げるために、「遺書」を送るのです。 死んでも、安らぎはありません。 死んでも、いじめたやつらは、絶対に反省しません。 あなたは、「遺書」を書くことで、死なないで逃げるのです。 だいじょうぶ。 この世の中は、あなたが思うより、ずっと広いのです。 あなたが安心して生活できる場所が、ぜったいにあります。 それは、小さな村か南の島かもしれませんが、きっとあります。 僕は、南の島でなんとか生きのびた小学生を何人も見てきました。 どうか、勇気を持って逃げてください。
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