なぜ、(人間はみな)同じだと言うのか。
(自分は)優れている、と言えないのか。 奴隷根性の復讐。 太宰治[だざい・おさむ]
(明治〜昭和の作家、1909〜1948) 『斜陽』 主人公の弟・直治が姉(主人公)に宛てた遺書の言葉 【 太宰治の名言 】
〈全文〉
人間は、みな、同じものだ。 なんという卑屈な言葉であろう。 人をいやしめると同時に、 みずからをもいやしめ、 何のプライドも無く、 あらゆる努力を放棄せしめるような言葉。 __ Link __ マルキシズムは、働く者の優位を主張する。 同じものだ、などとは言わぬ。 民主々義は、個人の尊厳を主張する。 同じものだ、などとは言わぬ。 ただ、牛太郎だけがそれを言う。 「へへ、いくら気取ったって、 同じ人間じゃねえか」 __ Link __ なぜ、同じだと言うのか。 優れている、と言えないのか。 奴隷根性の復讐。 __ Link __ けれども、この言葉は、実に猥(わい)せつで、不気味で、ひとは互いにおびえ、あらゆる思想が姦(かん)せられ、努力は嘲笑せられ、幸福は否定せられ、美貌はけがされ、栄光は引きずりおろされ、所謂「世紀の不安」は、この不思議な一語からはっしている。
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