豊富な語彙の自由なる駆使は、私たちにのみ許された、芸道の開拓であり、私たちの言語芸術を荘厳すべき尊き奉仕である。
九条武子[くじょう・たけこ]
(教育者、京都女子学園・京都女子大学設立者、歌人、社会運動活動家、仏教婦人会創設者、1887〜1928) 自著『無憂華』 「語彙の荘厳」 【 九条武子の名言 】
〈全文〉
古語は古人のことばである。 古語を今人(こんじん)に通ぜしめるには、現代語の意訳を経(へ)なければならない。 古語の致命傷はそこに在(あ)る。 __ Link __ しかし、経済的実用の点にのみ重きを置いている現代は、漢字制限や国語改造に熱心なあまり、俗悪な発音や、奇異なる文章の流行に対して、敢(あえ)て怪しもうともしない。 不要のものは自然にすたれてゆくであろう。 ただし、古人の文学的所産を受け継いでいる私たちは、多年の間洗練されてきた、なつかしき言葉を活用することの、最も自然であり、かつ有利であることを知らねばらぬ。 __ Link __ 豊富な語彙の自由なる駆使は、私たちにのみ許された、芸道の開拓であり、私たちの言語芸術を荘厳すべき尊き奉仕である。 __ Link __
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