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[ 名言 ]
いくら人間関係を改善させるためのテクニックを使ったとしても、
それはすべて相手を操ろうとしている行動にしか見えない。

[ 出典 ]
スティーブン・R・コヴィー
(米国の経営コンサルタント、1932〜2012)

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[ 解説 ]
最近、営業マンが使う会話テクニックや心理テクニックを、日常の会話に応用しようということが流行っています。
よほど今の人は、日常会話、つまり対人関係で困っているのでしょう。
世の中、まさに「対人テクニックブーム」です。


■例えば、よく使われるテクニックが「ミラーリング」です。
会話中に相手のしぐさを真似ることです。
人は、自分と同じ動作をする人に、親近感を持つ傾向があります。
相手が腕組みをすればこちらも腕組みする。
相手が足を組めばこちらも足を組む。
相手が飲み物を飲めば、こちらも飲み物を飲むのです。


■相手と同じ飲み物や食べ物を注文するのは、まさに典型的なテクニックです。
カフェで一方がコーヒーを注文したときに、もう一方がチョコパフェを頼めば、両者には距離感が生まれてしまいます。
その距離感を嫌うから、「じゃ、私もコーヒー」ということになるのです。
もちろん、オーダーを考えるのも面倒くさいということもあるかもしれませんが。


■それから、これまたよく使われるのが「リピーティング」。
相手の言ったことをオウムのように繰り返すことです。
自分が言ったことを相手が口にすれば、自分の話を相手がちゃんと聞いてくれている、理解してくれていると感じます。
自分の話をしっかり聞いてくれる相手に、人は好感を持つものです。


■しかし現在では、これらの対人テクニックは、書籍や研修の普及によって、誰にでも知られてくるようになりました。
そうなると、それら類のテクニックを使う人間は、逆にうっとうしく感じられるものです。


■想像してみてください。
人と会話しているとき、もし、相手が自分のしぐさを真似ていることに気づいたら、さぞかし気味悪いでしょう?
一種のストーキング行為と言えるものです。
この人は、自分を馬鹿にしているのか?
とさえ思えてきます。


■想像してみてください。
誰かと飲食店に行くとき、もし、相手がいつも自分とオーダーしか注文しないことに気づいたら、やはり気持ち悪いでしょう。
自分にわざと合わせているのかと思うと、その気遣いがうっとうしく感じられることでしょう。
好きなもの頼めよ!
と言いたくなります。


■想像してみてください。
人と会話しているとき、もし、相手が自分の言ったことを繰り返してばかりいることに気づいたら、うんざりしませんか?
オウムや鏡と話しても、面白い訳がありません。
話しても、何も得るものがないからです。
また、自分の話をちゃんと聞いているよと過剰にアピールされたら、逆に不愉快にすら思えてきます。


■「聞き上手は話し上手」とよく言われますが、これは「聞く」に徹することではありません。
もちろん、相手の話を「しっかり聞く」ことは大前提になります。
その上で、相手に自分の考えもしっかり伝える。
そうして初めて「会話」が成立するのです。
どうも、最近の書籍や研修などでは、「聞く」ことばかりが強調されすぎています。
それが、多くの人の誤解を生む原因になっているのかもしれません。


■結局、対人テクニックとは、自分に有利な状況を作るために、相手をコントロールする技術です。
そして人は、相手にコントロールされるのを嫌うものです。
たとえ、それが「いい結果」を生むものであったとしても、反発したくなります。


■対人テクニックは、万能ではありません。
多少は効果はあるかもしれません。
しかし、相手にそれを見抜かれてしまえば逆効果にすらなります。
適切なタイミング、頻度、使い方が求められる「諸刃の剣」なのです。


■対人テクニックは、所詮「単なるテクニック」に過ぎません。
より大事なのは、「相手を尊重する心」です。
その心さえあれば、テクニックの無さなど、いくらでもカバーできます。
そして、その心無しにテクニックに溺れる人に、良好な対人関係を結ぶことなど不可能です。
(ながれおとや)


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