(※老いて)ああ、こういうの、以前にもあった、……と思うのは何だか手馴れた温(ぬく)みに漬かっているようで心地よいものだ。
人生そのものが、ようく使いこんで身に合ってきたという風情である。 田辺聖子[たなべ・せいこ]
(小説家・エッセイスト、1928〜2019) 『楽老抄』 【 田辺聖子の名言 】
〈全文〉
老いは驚きや発見を失うことなのだ。 しかし私はそれを悲しむよりは、そういう〈老いの風景〉に興味を感じて、面白くてたまらない。 若い人は、〈何をみても既知感があるなんて、人生索莫(さくばく)たるものじゃありませんか〉というかもしれないが、これが案外そうではない。 __ Link __ (中略)(※老いて)ああ、こういうの、以前にもあった、……と思うのは何だか手馴れた温(ぬく)みに漬かっているようで心地よいものだ。 人生そのものが、ようく使いこんで身に合ってきたという風情である。 __ Link __
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