しばらくも倦(う)むことのない、自然の働きを見のがしてはならない。
みずからの営みを、丹念にたもちつづけるものは、如何(いか)なる境涯に在(あ)っても健(すこ)やかに生きることができる。 九条武子[くじょう・たけこ]
(教育者、京都女子学園・京都女子大学設立者、歌人、社会運動活動家、仏教婦人会創設者、1887〜1928) 自著『無憂華』 「巌のかげに」 【 九条武子の名言 】
〈全文〉
丘を登りつむるところ、巌(いわ)のかげに、小さな花が可憐な頭を擡(もた)げて、むらがり咲いていた。 春の歩みが、此処(ここ)までも押し寄せて来ていることが考えられる。 春は壮麗な花園のなかにのみ飾られるのではない。 むしろ一輪の小さき花によって、忘れられた巌のかげにもまた、春のよろこびが充(み)ちているのであった。 __ Link __ しばらくも倦(う)むことのない、自然の働きを見のがしてはならない。 みずからの営みを、丹念にたもちつづけるものは、如何(いか)なる境涯に在(あ)っても健(すこ)やかに生きることができる。 __ Link __ そして、みずから生きるものにのみ、働きの法悦がめぐまれる。
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